革財布の「色移り」「色落ち」が心配?エイシングを楽しむ
革財布を活用していると、年月の経過と共に「色褪せ」が生じてくるものです。
そんな様子を見ていると、「色移り」「色落ち」を心配してしまう方もいるかもしれませんね。
革財布の「色移り」「色落ち」に関して、少しお話してみたいと思います。
目次
革財布の魅力は「色落ち」に有り!?
革財布の染色方法には、「顔料仕上げ」と「染料仕上げ」があります。(細分化するともっと、様々な仕上げ方法があるんですけどね。)
「顔料仕上げ」というのは、ペンキを塗ったような仕上げ表情となるもの。完全に革をコーティングしてしまう形の仕上げです。
対して
「染料仕上げ」というのは、その名の通り「革を染料にて染め上げる手法」。
着物生地など「布を染め上げる」のと同じように「革を染め上げる」わけです。革をコーティングするのではなく、革繊維の中に色を染み込ませるのです。
時代を問わず、本革財布として、高い人気を誇っているのは「染料仕上げにる革財布」です。革であることの魅力を創出することができるのが「染料仕上げ」なんですね。
革の「色落ち」が生じるのは染料仕上げならではの特徴。
「顔料仕上げ」の場合は、ほとんど「色落ち」はありません。(科学的な退色反応はありますけどね)
革財布が「色落ち」するのは、「染料仕上げ」だからなんですね。
染料仕上げを施された革財布は、年月の経過と共に、色調の変化が起こってきます。
- 色落ち
- 濃淡の変化
- 色ムラ感
- 光沢感の変化
などが折り重なることによって、革財布ならではのエイジング(美しい経年変化)が創出されていくのです。
本革財布にとって、「エイジングの美しさ」は大きな魅力要素。
「色落ち」といった要素も、そんなエイシングの大切な要素のひとつなのです。これが染料仕上げならではの魅力であり、特徴なんですね。
革財布の「色移り」の心配は!?
革財布の「色落ち」は、魅力として捉えるべき要素であることは、わかっていただけたかと思いますが・・。
- 色移り
の心配はないのか?
気になる方もいらっしゃるかもしれません。
この場合下記の2つのケースが考えられます。
- 革財布の色が衣服などに「色移り」してしまわないか?
- 衣服などの色が革財布に「色移り」することは無いのか?
ですね。
まず「革財布の色が衣服などに色移りしてしまわないのか・・」という心配に関してですが、結論を先にお話すると、その心配はほとんどありません。
その理由は、革財布は冒頭でお話したように「色落ち」はするのですが、「バッグ」などと異なり、衣服と接触する面積が小さく、接触する機会もほとんど少ないからです。
革製品にて、衣服などに「色移り」する時には、「水分」が重要な役割を担っています。
例えば、「革製リュック」を背負っていると「背中面」や「リュックベルトと脇の下との間」にて、汗が生じやすく革が水濡れと同じ様な状態となることがあります。
そういう状況下では、革の色が衣服へと色移りしてしまうことがあるんですね。
リュックの場合は「衣服との摩擦」も生じますので、さらに色移りの可能性が高まることに。
対して、「革財布」の場合は、基本的に「汗の影響」はほとんどありません。また、「摩擦」を受けることもほとんどありませんので、衣服に革財布の色が移ってしまう可能性は少ないのです。
衣服の色が革財布に「色移り」するケースとは!?
革財布において「色移り」の可能性があるのは、「衣服の色が革財布に移る」というケースです。
ただ、かなり限定的な要素となります。それが・・。
●ジーンズ(デニムの色)の色が革財布に移ってしまう
というパターンです。
革財布をジーンズのバックポケットに入れて持ち歩くことが多い場合、ジーンズの色が革財布に移ってしまうことがあるんですね。
「汗(湿気)」と「摩擦」の2つの要素が存在する状況だからです。
デニム色が革財布に移ってしまう・・・そんなパターンがあるんですね。
革財布にジーンズの色が移ってしまった時(色移り)
さすがに、ジーンズの色が革財布に移ってしまうと・・それをエイジングの美しいさとして感じることは出来ないものです。
そんな時なんとか「色移り」を無くしたいと思うものですが・・厳禁なのが、あせって「色移り部分を擦ってしまうこと」です。
擦って色を落とそうとする行為は逆効果。擦ると逆に汚れが広がってしまいますので要注意です。
自分で対処する場合は、なかなか完全には色を落とせないものではありますが、少しでも状況改善したい場合に、まず用意しておきたいのが
- 綿の布(2枚)
- 革専用のクリーナー
です。
ここでも注意がひとつあります。
「革素材」は、革種類こどにいろいろと特性・個性が異なっているもの。革専用のクリーナーといっても、革種類別に適正がわかれています。
まずは、革財布に使われている革素材種類を確認した上で、その革に適した専用クリーナーを選ぶようにしていだたければと思います。
その上で、クリーナーを綿布に付けて、色付着部分を「ぽんぽん」と叩くようにしましょう。ここでも擦ってしまうのは厳禁ですからね。
叩きながら「色を浮かせる」のがポイントです。
色が十分浮いたら、もう一枚の面布で拭き取ります。
色の付着が気にならなくなるまで、数回この作業を繰り返すといいかと。
ただ・・あまりやりすぎないようにしてくださいね。もともとの革財布の染色自体を「色落ち」させてしまうことがありますので。
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