シュリンクレザーの経年変化!?手入れとエイジングの特徴

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シュリンクレザーの経年変化!?手入れとエイジングの特徴

シュリンクレザーは各種革小物(財布、名刺入れなど)・革バッグなどに活用されている実用性の高い革素材です。そんなシュリンクレザーの「経年変化」とは、どんなものなのか・・特徴とお手入れ方法などを踏まえてお話いたします。

シュリンクレザーの経年変化!エイジングの特徴

シュリンクレザーの経年変化!エイジングの特徴

シュリンクレザーは、革を縮ませる加工を施すことで独特のシボ模様を作り出す革素材です。この加工方法により、革の表面に自然な凹凸が生まれることにより革の強度が高まります。「実用性の高さ」が魅力の革となっています。

シュリンクレザーは主に牛革が使用されていますが、それ以外の原皮を利用したものも存在しています。高級なバッグや財布、ベルトなどに幅広い用途に活用されています。

他の革とは異なる特徴的な経年変化(エイジング)

シュリンクレザーは型押し加工(型押しシュリンクレザー、エンボスレザー)・薬剤処理(シュリンク加工)などの近代的な革技法によって作られている革です。


それゆえに、天然原料(ベジタブルタンニン、天然オイルなど)を用いて作られるベジタブルタンニンレザーやオイルレザーなどと比較すると経年変化(エイジング)が楽しみにくいという特徴があります。別の言い方をすると時間経過による革風情の大きな変化なく(少なく)、新品時の風合いが保たれるという特徴が人気のポイントとなっています。

とはいえ、大きな変化ではなくともシュリンクレザーにも特徴的な経年変化が見られます。それが

革表面の凹凸の影響にて、コントラスのある色味の変化

が生じます。

か革表面の凸部は、摩擦や紫外線などの直接的な影響を受ける反面、凹部は、摩擦を受けず、紫外線の影響も少なくなります。凹凸によるこの違いが色味・色艶のコントラストを生むことに。これがシュリンクレザーならではの経年変化の魅力となっています。

時間経過に伴う革表面の縮み変化

シュリンクレザーの革表面にある皺模様(ちぢみ)は、時間経過と共に微妙な変化をしていきます。摩擦などにより凹凸の深さが変化し、その結果として

革表面の凹凸による陰影

に変化が表れることに。

これもシュリンクレザーならではの経年変化の特徴となっています。

シュリンクレザーの経年変化!お手入れポイント

シュリンクレザーの経年変化!お手入れポイント

シュリンクレザーの経年変化を良き方向へ誘うためには、適切なタイミングでのお手入れが大切な要素となります。シュリンクレザー仕様の革製品(財布・バッグなど)は他の革仕様アイテムと比較して、あまりお手入れに神経質となる必要はありません。

それでも、知識として下記に記した革素材に共通したお手入れポイント及びシュリンクレザーならではのお手入れ上の注意ポイントを認識しておいていただければと思います。

1)水滴の付着は即時にふき取る

シュリンクレザーは他の革素材と比較して、水付着によるシミなどが目立ちにくいという特性を有しています。とはいえ、天然革として革繊維内に水が浸透すると「シミ」となってしまうことに変わりはありません。

雨水など水滴が革表面に付着した時は乾いた布などで早めにふき取る

ことは忘れないようにしていただければと思います。

2)湿気を避ける

前項「1」に繋がる内容となりますが、近年利用者が増えている「加湿器など」の近くやキッチンの近くなど湿度が高くなりやすい場所に長き時間、シュリンクレザー・アイテムを放置しない(置いておかない)ことも重要なポイントに。

シュリンクレザーに限らず革製品に共通して「カビの発生」は見た目だけでなく、革繊維を大きく老朽化させてしまう要因となります。

3)極度の乾燥を防ぐ

「湿気」と相反する要素「乾燥」も行き過ぎた状態となると革を痛める要因となります。シュリンクレザーは、わりと感想には強い革ですので、基本的には日々シュリンクレザー・アイテム(財布など)を利用していれば、人の手脂などの作用で乾燥を進行させることはありません。

ただ、長き期間「保管状態」とする時は、革アイテム専用の袋などに収納し、乾燥しないようにする及び革表面の乾燥が見られるようなら革専用のお手入れ用クリームを活用することを心掛けていただければと思います。

4)シュリンクレザーならではの注意点:お手入れ用クリームは丁寧にふき取る

シュリンクレザーの革表面には特徴的なシボ(凹凸)模様があります。お手入れ用クリームを使用した時には、このシボ(凹凸)が問題となります。

あまり沢山クリームを使用してしまうと、布などで軽くふき取っただけでは、シボ(凹凸)溝にクリームが残ることがあります。クリームが残った状態のままだと、クリームの劣化によって革表面の風情が損なわれることに。強く擦ってはいけませんが、丁寧にふき取るように心がけていただければと思います。

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まとめ

シュリンクレザーは、その独特のシボ模様と柔らかな質感、そして美しい経年変化から、多くのレザー愛好者に愛され続けています。適切な手入れを行いながら長く愛用することで、その魅力を最大限に引き出すことができるでしょう。

シュリンクレザーの特性を理解し、自分だけの特別なアイテムとして育て上げる楽しみを味わっていただければと思います。