コードバン財布の「お手入れ」!「汚れ落とし」「毛羽立ち」「艶だし」

財布のお手入れ・修繕

コードバン専用クリーム

革素材の中でも構造的な特殊性を有しているCORDOVAN。そんな素材を使用して創作されているコードバン財布のお手入れにも、少々特徴的なポイントが存在しています。

コードバン財布の「お手入れ」の考え方。

結論を先にお話しすると「コードバン(CORDOVAN)仕様の財布」はお手入れが簡単な革財布となります。

特別なメンテナンスなどは、あまり意識することなく、日常生活の中で

1)革表面に「水滴」が付いたら、即乾いた布でふき取る(水シミの防止)

2)革表面に「汚れ」が付着したら、CORDOVANに適した「専用ブラシ」で払い落とす(革の劣化を防ぐ)

ことのみを実践しておけば十分です。

1)「水滴」をふき取る

コードバン(CORDOVAN)に限らず、革財布の表面に「水滴」が付着した時には、即、ふき取ることが大切なお手入れ要素となります。

一部の革素材を除いて、原則「革」は水に濡れると「水シミ」「革の水膨れ」が生じてしまうからです。

コードバン財布に付着した水滴は「吸水性が高く」「柔らかな素材」(柔らかな布やティッシュなど)でふき取るようにしましょう。

また水滴をふき取る際に注意が必要なのが、革表面を「擦らない」こと。

*乾いた布で”軽く叩く”ように水をふき取る

ことがポイントとなります。

それは、自然な光沢感のあるCORDOVAN表面を擦ってしまうと「細かなキズ」が付いてしまい、光沢感などが損なわれてしまうからです。

2)「汚れ」を払い落とす

汚れ落とし用のブラシ
※上記写真はコードバンのお手入れに適した「ドイツ製山羊毛ブラシ COLLONIL FINE POLISHING BRUSH」

コードバン財布の表面に「汚れ」が付着した時には「コードバン革に適した専用のブラシ」で払い落とすようにしましょう。決して、布などで強くこすらないようにすることが大事なポイントとなります。

コードバン革の表面に、なるべく「細かな擦り傷」を付けないようにするための配慮です。

また、革表面に「細かな擦り傷を付けない」ためのもうひとつの大切なポイントが。

*なるべく、コードバンの繊維方向に沿ってブラッシングを行う

ということです。

これはコードバン素材(CORDOVAN)ならではの特徴となるのですが、CORDOVANは「コードバン層」のみの一層構造の革。革繊維が一方向に綺麗に整列しているのが特徴です。

ゆえに、この革繊維方向に沿って、ブラッシングをすることで革繊維間に入った細かな汚れを払い落とすことが可能に。さらに、「革表面に擦り傷を生じさせない」ことに繋がります。

ブラッシングだけでは汚れが取れないときの「汚れの落とし方」

コードバン財布に汚れをブラッシングのみでは落とせなかった場合、まずは柔らかい布で軽く拭き取ります。その後、専用のレザークリーナーを使用して汚れを落とします。

レザークリーナーは、スプレータイプやクリームタイプがありますが、財布の素材に合わせたものを選びましょう。クリームタイプを使用する場合は、乾燥後に布で拭き取ることが大切です。

3)コードバン革の「保湿」

コードバン財布は、乾燥すると硬くなってしまいます。そこで、コードバンの「乾燥」が気になり始めた時にはレザーコンディショナーを塗布し、保湿を行いましょう。

レザーコンディショナーは、財布の素材に合わせたものを選び、柔らかい布で塗り込んでいきます。また、塗布後は十分に乾かしてから使用するようにしまししょう。

4)コードバン財布の保管方法

コードバン財布は、直射日光や高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管することが大切です。

また、他の物と重ねて保管すると、財布に圧力がかかってしまい傷みやすくなります。そのため、収納時には他の物と分けて保管するようにすることがポイントに。

「防水スプレー」は必要or不必要!?

防水スプレー
※上記写真はコードバンにも利用可能な「放水スプレー:コロニル・ウォーターストップスプレー」

革財布のお手入れとして、「防水スプレーの活用」を推奨している情報を度々見かけることがあります。

特にコードバン(CORDOVAN)の場合は、革繊維内への水の浸透を防ぐために、防水スプレーを使いましょう・・・といった話があるのですが、私の経験(革を製造している方々の意見も含め)から言うと

*コードバン財布に防水スプレーは不要(どちらかと言えば使わないほうが良い)

と考えています。

その理由が

*かなり上手に防水スプレーを施さないと、逆に防水スプレーによる「水シミ(色ムラ)」が出来てしまうから

*防水スプレーを使うことで、コードバン特有(特に水染めコードバンの場合)の「美しい光沢感」が損なわれてしまうから

となります。

防水スプレーを施したとしても、どちらにしても「水滴」が付着した時には、即ふき取る必要がありますので、基本のお手入れ(水滴をふき取る)を心がけておけば、十分と考えます。

コードバン革に傷みや変化が起きた時のお手入れ

日常のお手入れとは別にコードバンの「痛み」「変化(劣化)」が起きた時に、心がけたいお手入れ要素があります。

艶の損失(革繊維の毛羽立ち)時のお手入れ

コードバン(主に水染めコードバン)は特有の美しい光沢感が魅力となっています。そんなコードバン財布を利用していく内に、「艶が失われてきた」と感じることがあります。

その原因の多くが

*革表面の革繊維の毛羽立ち

です。

コードバンの革繊維、細かく切れて毛羽立ってしまう・・・その影響で美しい自然な光沢感が損なわれることに。

こんな時の有効なお手入れ方法が

コードバン専用のクリームを塗布すること

です。

仕上げ用のムートン
※上記写真はコードバンの仕上げに優しい天然羊毛を使用した「革磨き用ムートン」

専用クリームを施すことで、革表面の毛羽立ちを解消(押さえる)。再び、美しい光沢感を取り戻すことができます。

ここで重要なのは「コードバン専用のお手入れクリームを使う」ことです。革ごとに特徴が大きく異なっており、利用できる成分(油分の種類など)もそれぞれ異なるからです。

※「専用クリーム」の活用方法(具体的なお手入れの流れ)は下記動画をご参照いただければと思います。

毛羽立ちが隠せなくなった時が「財布の買い替え時」に。

CORDOVAN財布の素材自体は高い耐久性を有しているのですが、財布としての寿命は、きちんと見極めておきたいものです。ひとつの目安となるのが「革表面の毛羽立ちが隠せなくなったとき」でしょうか。

CORDOVANの毛羽立ちは皮繊維のほつれとも言える出来事。艶の消滅にもつながる要素ですので、毛羽立ちが目立ってきたら、財布の買い替え時と判断するのが良いように思います。

下記記事にて、多彩な魅力を有するおすすめのコードバン財布情報を掲載しています。ご参照いただければと思います。

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「革」の種類!

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2018年5月18日財布のお手入れ・修繕お手入れ, コードバン

Posted by m-wallet