コードバンとは?!自然な光沢&エイジングが魅力の革財布

コードバン

コードバンとは

コードバン(CORDOVAN)と呼ばれる革は、「馬革」の一種です。

ただし、通常の「馬革(ホースレザー)」とは、革素材としての特性・構造が大きく異なることから、一般的には「コードバン(CORDOVAN)」と「馬革」は、それぞれ別の革素材として認知されています。

ここでは、そんな”コードバン”の特徴と魅力をご紹介いたします。

ホースレザー(馬革)とは!?個性が異なる2種類の馬革

コードバン(CORDOVAN)とは?!

水染めコードバンの風合い

”コードバン(CORDOVAN LEATHER)”は、農耕馬(欧州)の一部(臀部)から採取される革素材。

「コードバン層」と呼ばれる革繊維層のみを抽出した、単一構造の革となっています。

”コードバン”という名称の由来に関しては諸説があって、確定的な説ではないのですが、最も有力なのが「地域名」を起源としたもの。

*コルドバ地方

が名称の由来となっているものと言われています。

実際、革素材の名称には、「地域・都市名」が多く活用されています。

「コードバン」の名称も「地域名」が由来となっている可能性はかなり高いものと思っています。

ただし、一般的には「スペインのコルドバ地方」と言われていますが、実は、「アルゼンチン」にもコルドバ地方が存在しており、「スペイン起源」なのか「アルゼンチン起源」なのかは、不明です。

コードバンの種類

コードバン(CORDOVAN)には、風情も特性も異なるいくつかの種類が存在しています。

現在、日本にて、コードバン財布として存在している代表的なCORDOVANとなっているのが下記です。

水染めコードバン(アニリン染めコードバン)
●オイルコードバン(シェルコードバンなど)
ナチュラルコードバン
蝋引きコードバン

上記に対して、さらなる加工を加えることによって、作られている”コードバン”として下記が存在しています。(CORDOVAN素材の亜種といった位置づけとなりますでしょうか。)

●手染めコードバン(グラデーション染めコードバン)
●型押し加工コードバン

コードバンの構造的な特徴

CORDOVANは、農耕馬の臀部皮下内の「コードバン層」を採取したものです。

革素材の多くが、「床面+銀面」と呼ばれる2層構造にて、作られているのに対して、CORDOVANは「床面(コードバン層)」のみの1層構造のとなっています。

この特殊な構造によって、コードバンならではの個性(特徴)が創出されることに。

とくに、革素材としての”高耐久性”は「一層構造」ならではの特徴・機能性と言えます。

一般的な革素材は、「床面」と呼ばれる皮繊維層の上に、「銀面」と呼ばれる皮層が重なり合って出来ています。

この「床面」が時間経過と共に、剥がれることに。革の表面に「浮き」が生じて来るのです。これが一般的な革の劣化です。

対して、”コードバン(CORDOVAN)”には、もともと「銀面」がありません。革表面の「浮き」が生じることがないのです。

ゆえに、「乾燥」にさえ気を付けていれば、革として機能が衰えにくく、高い耐久性を有する革となるです。

また、もうひとつ構造的な特徴となっているのが

*皮繊維方向が一方向に揃っており、皮繊維密度が高い

ということです。

一般的な”革”は、皮繊維がランダムに絡み合っている構造を有しています。必然的に皮繊維間にすきまが生じやすいのです。(低密度)

対して、”コードバン”は同じ方向に繊維が揃う構造に。繊維がきれいに揃うことから、繊維間のすきまが最小限となり、密度が高くなるのです。

上質なコードバンとは、「皮繊維密度が高いCORDOVAN」を意味しています。

この皮繊維密度の高さも「革の耐久性」を創出する要素となっているのです。

ただ、反面「皮繊維方向が揃っている」ことが弱点となることも。

コードバンの脂分が抜け、革の乾燥が進んでしまうと、人の手でも、わりと容易に繊維方向に革を割くことができるようになってしまいます。

「革の乾燥」が急激に「革の強度」を衰えさせてしまうことに。

コードバンの風合い&魅力

”コードバン”は種類が異なると、風合い・魅力が大きく異なる・・・そんな特性を有しています。

詳細は、個々のCORDOVAN(種類)記事をご参照いだたければと思いますが、コードバンを代表する2つの魅力(風合い)要素

*輝かしい艶感
*美しいエイジング(飴色への変化)

をご紹介したいと思います。

コードバン財布の魅力その1:水染めコードバンの美しい光沢感。

CORDOVAN素材

コードバン財布に関する一般的な印象&魅力として、まず取り上げておかなければいけないのが「自然で美しい光沢感」です。これは、”水染めCORDOVAN仕様の財布(別名 アニリン染めコードバン財布とも呼ばれます。)”を対象とした、魅力要素となります。

「何かをコーティングしたり」「光沢仕上げ」などによるものではなく、あくまでも、革素材を磨き上げることによって、創出される自然な艶感なんですね。

革素材自体が発する艶感としては、水染めCORDOVANが最も美しく、輝かしい艶感を有しているものと言われています。

水染めコードバンとは!?アニリン染め財布の特徴と魅力

コードバン財布の魅力その2:経年変化の美しさ(エイジング)

ナチュラルコードバン財布のエイジング

もうひとつ、コードバン財布の代表的なイメージ&魅力となっているのが「経年変化の美しさ(エイジング)」です。

中でも、”染料を使用しない”ことで作られている「ナチュラルコードバン」が最も美しい経年変化を見せてくれます。

新品時は、「明るい肌色(スキンカラー)」で、あまり艶感も感じさせない素朴な風情を有しているのですが、使用している内に、徐々に艶感が創出。「飴色と表現される美しい光沢感を有した深みのある色」へと変化していくのです。

”飴色”へと変化していくのは、ナチュラルコードバン財布のみ。他のコードバン財布は、光沢感が増していくとともに、レドロなエイジングを見せてくれます。

経年変化の美しさを楽しむのであれば、断然、ナチュラルコードバン財布です。

とはいえ、「経年変化の美しさ(エイジング)」の魅力は、「ナチュラルコードバン」だけではなく、「オイルコードバン」にも、存在しています。

「ナチュラルコードバン」とはまた、風合いの異なる”アンティーク”な風情が増していくのが「オイルコードバン」ならではのエイジング。

エイジングの違いなどは、下記記事をご参照いただければと思います。

CYPRIS|オイルシェルコードバン・ナチュラルコレクション「折財布(5910)」
染色ナチュラルコードバン仕様のラウンドファスナー長財布「MWR01ML」
スタンフォード|シェルコードバン長財布

コードバン財布(CORDOVAN)!おすすめアイテム。

現在、コードバン財布の主流となっているのが「水染めコードバン財布」と「オイルコードバン財布」です。

”コードバン財布らしさ”を楽しみたい方は、水染めコードバン財布がおすすめに。”財布としての使いやすさ”を重視するのであれば、オイルコードバン財布がおすすめとなります。

古くは「ナチュラルコードバン財布」が主流の一角を担っていたものですが、ナチュラルコードバンの”ワイルドさ”が他の革素材財布に人気が取って代わられたように感じています。

下記記事にて、上質な各種コードバンを使用、日本の匠革職人が仕立てた本物志向のコードバン財布(ラウンドファスナー長財布、フラップデザイン長財布、二つ折り財布)をご紹介しています。

コードバン財布【20選】本物志向のCORDOVAN WALLET

日本製コードバン財布の魅力。隠れた部分にまで行き渡る細やかな心配り。

日本製の革財布作り。

コードバン財布に限らず、革財布全般に共通した要素となりますが、”日本製の革財布ならではの魅力”が存在しています。それが・・・。

  • 見えない部分にまで、行き渡っている細やかな心配り。

なんですよね。

縫製手法に関して、「ミシン縫い」「手縫い」のいずれであったとしても、そこには、それぞれの革職人さんの”こだわり”が感じられるもの。”洗練さ”を活かしているのか、それとも”丈夫さ”を重視しているのか・・

単に、”財布を形作る”というだけでなく、「こだわり」と「配慮」が様々な細部(ディテール)の仕事に表れている(込められている)のです。それが、日本製のコードバン財布ならではの魅力ともなっているんですよね。

そんな細やかな配慮・こだわりが積み重なることが、必然的に「財布としての機能性(使いやすさ)」「丈夫さ(末永く活用できる)」などに繋がっています。

コードバン財布のお手入れポイント!

コードバン専用クリーム

革財布は、革素材それぞれの特徴に応じて、お手入れ方法が異なってきます。特殊な革特性を有している革財布ほど、きちんと、革特性に適した対応が必要となるもの。

コードバン財布も”CORDOVAN素材”の特性に応じた、お手入れが必要となります。

コードバン財布の汚れ落としは、専用ブラシによるブラッシングで。

コードバン財布の革表面に汚れが付着したときには、早めに汚れ落としをしておきたいもの。汚れが付着したままだと、コードバン革繊維を痛めてしまい、”革繊維の毛羽立ち”を生じさせやすくなったりしますからね。

そんなコードバン財布の汚れ落としに最適なのは、革財布専用のブラシを使用すること。中でも、山羊毛のブラシが個人的に、コードバン財布に適しているアイテムとなるものと考えています。

コードバン財布が他の革財布と最も大きく異なっているのが「革繊維の構造」です。一般的な革素材は、「銀面+床面」の二層構造で構成されています。対して、CORDOVAN素材は、「コードバン層」と呼ばれる一層構造となっています。

この”コードバン層”は、革繊維の密度が高く、同じ方向に皮繊維が揃っているという特徴を有しています。CORDOVAN素材が高い耐久性を有しているのは、この特殊な革構造によるものなんですね。

”汚れ落とし”をする上で、気を付けておきたいポイントとなるのが「革繊維方向の存在」です。コードバン財布表面の汚れを効果的に取り除くためには、革繊維方向に沿ってブラッシングを行うのが効果的なのです。

コードバン財布の艶感が失われてきた時には、CORDOVAN専用のお手入れクリームを活用。

革財布のお手入れというと、頻繁に革用クリームを塗布している方もいるようですが・・・。コードバン財布において、それは、あまりおすすめ出来ません。

基本的として、革財布にあまの余分な皮脂や成分を付加することは、革素材本来の特性・魅力を軽減させてしまうことに繋がりかねないからなんですね。

水しみを防ぐためにと”防水スプレー”の使用が推奨されていたりしますが、私は、防水スプレーの使用も出来れば、避けた方が良いものと考えています。

実際、防水スプレーやクリームなどを塗布したことによって、逆に「シミ」が生じてしまったり「艶」が失われてしまったりすることがあるもの。

コードバン財布は、日々使用していれば、適度に皮脂が付加され、革の乾燥は防げるものです。「水が着したらすぐに拭き取る」「汚れが付いたら、早めに汚れを落とす」このことを意識しておけば、十分だと思っています。

ただ、コードバン財布は使用していくうちに、徐々に革表面の毛羽立ちが生じて来るもの。革繊維が切れて、毛羽立ちを起こすのもコードバン素材ならではの特性です。

革繊維の毛羽立ちが目立つようになるとコードバン特有の”艶感”も失われることに。こんな状態となってきた時には、コードバン専用のお手入れクリームを活用するようにしていただければと思います。

一般的な革のお手入れクリームでは、ダメですよ。厳格に言うと、”水染めコードバン”と”オイルコードバン”では、それぞれ適したお手入れクリームが存在しています。

まあ、そこまでのこだわりは、必要ないとしても、コードバン専用に開発されたお手入れクリームを活用することは必須要素。こちらの、コロニル・コードバン専用クリームなどがおすすめです。

専用クリームを使用することで、毛羽立ちを補修するんですね。それによって、艶感も再生することが可能となります。

コードバン仕立ての革小物(名刺入れ・小銭入れ)&アイテム

現在”コードバン”は非常に希少な革素材となっており、原皮の生産量は年々減少。入手困難な革となっています。

希少性の高まりに伴って、価格も高騰。毎年、値上がりが続いており、今では、高級革素材に位置付けられています。

そんな高級革素材CORDOVANにて仕立てられた「革財布」以外の革小物&アイテムをご紹介いたします。

コードバン「名刺入れ」「カードケース」「小銭入れ」

コードバン名刺入れ

CORDOVANは、「高い耐久性」が特徴の革素材。ハードな利用状況となるビジネスアイテムにとって、CORDOVANアイテムは最適な機能性を有しています。

  • 名刺入れ
  • カードケース
  • 小銭入れ
  • キーケース

などの小物アイテムは、「耐久性」が重視されるもの。CORDOVAN仕様は、高い支持を得ています。

最高峰シェルコードバン名刺入れ「サルトラム」!無双仕様の重厚感&高級感。
マイスターコードバン名刺入れ「ブレイズ」!輝かしい艶感の美しさ。
マイスターコードバン「コインケース」!利便性の高いミニウォレット。
水染めコードバン「キーケース」
水染めコードバン「パスケース」!定期券・ICカードの収納に。

コードバン「ベルト|BELT」

コードバン ベルト

昔から、代表的なCORDOVANアイテムとして、人気を有しているのが、「コードバン仕様のベルト」です。

CORDOVANの希少性が高まったことから、「一本もの」は少なくなっており、「継ぎもの」が主流となっていますが、現在でも、上質なCORDOVANベルトは高い人気を得ています。

CORDOVAN仕様「ベルト」特集!貴重な日本製CORDOVANベルト。

コードバン「ランドセル」

コードバン ランドセル

昭和の時代は、「ランドセル」と言えば「コードバン」といったイメージがあるくらい、
CORDOVAN仕様ランドセルは身近なアイテムでした。

しかし、近年では、CORODOVAN素材価格の高騰に伴って、素材を多く使用するランドセルを創作するのが困難に。CORDOVANランドセルは、貴重で高級なブランドアイテムとなっています。

とても入手困難なアイテム。今では、春を迎える半年前~1年前には、購入必須な状況に。

コードバン「紳士革靴」

コードバン ドレスシューズ

今、一般市場ではほとんど見かけることが出来くなっているのが「CODOVAN仕様の紳士靴」です。革靴専門店(工房)のみで取り扱っているような高級アイテムとなっています。

一般市場では、「低品質な革仕様」「偽物」が出回っていますので、注意が必要なアイテムのひとつ。安価な商品に手を出すのは危険かと。

専門店に足を運んで、購入するのが最善です。

併せて読みたい「コードバン財布」関連情報

コードバンとは?!自然な光沢&エイジングが魅力の革財布
コードバン財布【20選】本物志向のCORDOVAN WALLET
水染めコードバンとは!?アニリン染め財布の特徴と魅力
蝋引きCORDOVANとは!?コードバン・クラシックシリーズ
シェルコードバンとは!?レトロな光沢感が魅力の革財布

2018年2月17日コードバンコードバン, メンズ財布, 革素材, 革財布

Posted by m-wallet